- ロイター通信2011/3/29pm11:45:スペシャル・レポート:日本のエンジニアは知っていた。津波が原発を破壊しうることを。
原発を破壊した津波は想定外だったとする東京電力の主張はウソ。東京電力は、警告を何度も無視し、危険を過小評価し続け、今回の惨事にいたったのだ。そう主張する調査報道。
3段落「ロイター通信は、東京電力の研究者が執筆したレポートを精査した。そのレポートのなかで、東電研究者は、『津波という現象は不確実であるので、津波の高さが(原発の)設計上の高さを超える可能性は存在する』と述べていた。」
4段落「リサーチペーパーの結論は、最も保守的な前提にもとづくと、50年スパンにおいて、約10パーセントの確率で、津波が福島第一原発の防御に挑戦する、もしくは、破壊するというもの。」
5段落「しかし、この研究に依拠した安全計画の変更を、東電はまったく行っていなかった。この研究は2007年7月、マイアミで開催された原子力工学会で発表されていたのに。」
12段落「原子力安全政策も研究したことのある城山英明東京大学教授は言う。『これは想定外でした、って言う官僚がいるのは、私からすると、ちょっとヘンですねえ。想定外のことは起こりえます、それが、私たちが暮らしている世界です。しかし、監督当局の官僚も、東京電力も、両方とも、責任を回避しようとしています。』」
13段落「東京電力に過度に依存して、自分自身で正しいことを大規模にやろうという日本政府のアプローチは明らかに失敗した、と、南カリフォルニア大学のNajmedinMeshkati教授は言う。」 - ロイター日本版2011/3/30 : 特別リポート:地に落ちた安全神話─福島原発危機はなぜ起きたか
上記の英語版配信記事の和訳ではなく、別の記事らしい。重なるトピックもあるが、微妙に違っていたりする。英文記事のほうでは、肇のほうで、「リサーチペーパーの結論は、最も保守的な前提にもとづくと、50年スパンにおいて、約10パーセントの確率で、津波が福島第一原発の防御に挑戦する、もしくは、破壊するというもの」という衝撃的な内容が提示されているが、この日本語記事では、もっと確率が低くなっていて、ショックが小さい。
- ニューヨークタイムズ2011/3/29: Confidence Slips Away as Japan Battles Nuclear Peril
10段落:「だから、いままでの努力の結果、汚染が生じたとしても、feed-and bleedの継続以外の選択肢はほとんどない。『最悪のシナリオは、メルトダウンによって、原発の敷地が恒久的な墓場になること。日本みたいな小さな島国では、これはオプションでない。だから政府は、いかなる犠牲を払ってでも、メルトダウンを回避しようとしているんです』と、イグチ・テツオ名古屋大学量子工学科教授。」
27段落:「科学技術庁の元原子力政策プランナー、ヨゴ・クニ氏は、『トライ・アンド・エラーがなされてますが、これは、今後三年から五年にわたる努力の始まりに過ぎません』」 - イギリスの新聞ガーディアン2011/3/29:Japan may have lost race to save nuclear reactor – Fukushima meltdown fears rise after radioactive core melts through vessel – but ‘no danger of Chernobyl-style catastrophe’
すでに核燃料が溶けて、格納容器からコンクリートへ、さらには、コンクリートの割れ目から土壌へ流れているのではないか、という元GEエンジニアの推測を紹介。しかし、チェルノブイリみたいにはならないと主張している。
- イギリスの新聞テレグラフ2011/3/29: Japan nuclear crisis: workers ‘losing race’ to save reactor – Workers at Japan’s earthquake hit nuclear plant lost ground in the battle to save the plant from meltdown after the radioactive core of one reactor appeared to have melted through the bottom of its containment vessel.
- Spiegelによる福島原発危機の図解
→福島第一原発:放射能の雲の予測:「福島第一原発からの放射性物質の拡散可能性を表したグラフィック。粒子の濃度は、発生量に依存する。 」 - 共同通信2011/3/30:これまで報道されてきた福島第一原発のニュースを読んで、今どの様な状況なのか、今後どのようになるのか、どれくらい続くのかを筆者の私見で大胆に予想してみようと思う。
- 産経2011/3/31:米国で「東電には経営責任がある」株主代表訴訟も
サマーズ氏「誠に残念ですが、日本は貧しい国になるでしょう」。ジェラルド・カーチス教授「昨年メキシコ湾で原油流出事故を起こした英BPと同じ構図だ」。 - グリーンピース2011/3/30のプレスリリース:2011/3/28 避難地域の設定に科学的な基準を――グリーンピース声明/
2011/3/30 東京電力に対する損害補償のため証拠集める
グリーンピースが調査チームを福島へ派遣、放射能汚染について独自調査。政府発表データは信頼できるとお墨付き。他方、現在の避難地域範囲については不適切と批判。 - ニューヨークタイムズ2011/3/29:Japan Nuclear Crisis Erodes Farmers’ Livelihoods
- ニューヨークタイムズ2011/3/29:Japan Weighs Nationalizing a Stricken Utility
- ワシントンポスト2011/3/29:Japan struggles to contain radioactive spread at stricken plant
- BBC2011/3/29:Long game at Japan nuclear plant
- 日経2011/3/30:福島原発、専門家ら「3つの懸念」 燃料棒激しく損傷
- イギリスの新聞ガーディアン2011/3/30: Onagawa: Japanese tsunami town where nuclear plant is the safest place – Hundreds of survivors shelter next door to power station reactors in stark contrast to Fukushima disaster 75 miles away